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イラン

ゾロアスター教聖地やペルシャ帝国の廃墟、オアシス都市を巡る旅

2014年、イランを一人旅。

イランというと、2000年代に悪の枢軸と名指しされた国であり、イスラム教シーア派が多数を占める国です。

もしかすると危険な印象を持たれる人がいるかもしれませんが、全く逆でした。

道行く人が日本人は大好きと言ってくれますし、困っていたら道も親切に教えてくれる。道端には寄付ボックスも設置されていてみな普通にお布施を行う。

そして厳格な原理主義ではなくゾロアスター教やキリスト教会などもある。

女性は、チャドルと呼ばれる顔以外を黒い布で覆う服装ですが、目鼻立ちがしっかりして美人ばかりです。

 

今回の旅の目的は、まずは善悪二元論で有名なゾロアスター教の聖地を巡り、そしてアレクサンダー大王に滅ぼされたアケメネス朝の遺跡を拝見することです。

 

■旅程

ドバイ経由でシーラーズへ入り、イランで唯一の日本人のガイドさんにお願いして国内を巡りました。

そしてドライバーさんもとても気立てが良い方でした。

 

回った都市は、

・シーラーズ:ペルシャ式庭園やイスラム王朝の城やモスク

・ペルセポリス:アケメネス朝ペルシャの遺跡。紀元前500年世界最大の王国。

・ヤズド:今でもゾロアスター教が多数を占める砂漠の都市。旧市街もオアシス都市風景が強い。

・エスファハーン:サファヴィー朝のアッバース大帝によって建設されたイマーム広場、アルメニアキリスト教教会

・アブヤーネ村:オアシス都市で美しいこじんまりした村。

・テヘラン近郊:フィン庭園、ジャムキャラン

 

(続く)

■印象

・アレキサンダーに滅ぼされた2500年前のアケメネス朝ペルセポリスの遺跡に一過性の歴史もあることを感じ、

ゾロアスター教の鳥葬の跡や拝火教神殿に参拝し、これだけイスラムが強くとも残っている信者や、性善説に立つ教えなどに感銘を受け、

エスファハーンでは「エスファハーンは世界の半分」と言わしめた壮大なイマーム広場やブルーのタイルに彩られた壮麗なモスクに、世界中の王朝制や一神教の類似性があるなあ、と思われ、

助け合い精神を重んじるイスラムの教えが実践されていることに、助け合いの精神はどの宗教も持ち合わせているが日本固有のものは“譲り合い”という謙遜ではないか、と考えさせられました。

・煮物中心のイラン料理とノンアルコールビール、甘いお菓子類を味わいながら

チャドルを身に着けた女性や純粋な目をした小学生たちから「あー外人だー」という強い視線を感じながら、

時には「日本大好き」と写真に撮られながら、

刺すような太陽の光であるものの、高度が高く乾燥している空気に触れながら、

砂漠の建物特有の丸い屋根と風採り塔やカナートの水で涼める現地の暮らしぶりを眺めながら、

ブルータイルが印象的で荘厳なモスクや四方を壁に囲まれ噴水を持つペルシャ庭園、

男女別のドアノックの扉を持つ現地の住居やラクダの留め具がある旧市街地を歩きながら、

定時に放送されるモスクのお祈りや道端におかれている寄付ボックス、御婆さんの荷物を持ってあげる子供たち、

などイスラム圏の自然な行いを見ながら、

新興国にありがちなものすごい自動車の運転とクラクションの音と、

ペルシャ庭園へピクニックに来て遊ぶ子供たちの子供の声を聴きながら、

そしてユーモアが大好きで、困っている人がいれば例え運転していても車を止めて場所を説明してくれる親切心を感じながら、

という旅でした。

・そして、最も記憶に強く残ったのは、最後の訪問地ジャムキャラン。

ここはキリスト世界で言うFatimaの奇跡に類似した聖地で、ガイドブックに載っておらず旅行者は一人もいないモスクです。願を叶えてくれる場所で、皆熱心にお祈りをしている姿を見て、古今東西、人の望みは利他と利己、と感じたものです。絵馬のように願いを書き男女別の井戸に投入れることも行ってきました。

(終わり)

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